エンジニアとしてプロとして、今年読んだ本(2014年)

自分はエンジニアであり、プロでありたいと思っているので、定期的に技術書を読むように心がけています。読むのと理解するのが遅いため冊数は少なめですが、それでも少しでも身につくものがあればと思って読んでいます。

エンジニアとしてプロとして、今年読んだ本 - 地平線に行く

そんなことを書いてから、早くも三年が経ちました。
今年も、いつものようにどんな本を読んだか思い返してみたいと思います。

文字コード

プログラマのための文字コード技術入門 (WEB+DB PRESS plus) (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

プログラマのための文字コード技術入門 (WEB+DB PRESS plus) (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

文字コードの基礎を学ぶために手に取った本です。
読む前は、符号化文字集合文字符号化方式をごちゃ混ぜに理解してしまっていたり、JISコードの構造を分かっていなかったりと、とても付け焼刃な知識でしかなかったのですが、この本でこれらを整理して正しく理解することができました。
また、JISコードが何度も改訂を重ねられているのを、きちんと順を追って解説されていたのでとても助かりました。ネットの記事だと改訂が反映されていたりしなかったりするので、JISコード周りではまることがあったら*1、この部分だけでも一読の価値があるかと感じました。


最近のプログラミング言語だと、文字関係のAPIが充実しているので文字コードについて詳しく知らなくてもあまり困らないのですが*2、やっぱり知っているのと知らないのとではかけるプログラムが全然違うと思います。自分がそうでした。

情報理論

シャノンの情報理論入門 (ブルーバックス)

シャノンの情報理論入門 (ブルーバックス)

通信の数学的理論 (ちくま学芸文庫)

通信の数学的理論 (ちくま学芸文庫)

もし、情報系の職種にお勤めの方で情報理論について知らないという方は「シャノンの情報理論入門」をぜひ読んでみるのを強くおすすめします。


この本は「情報とは何か」「ビットが何を意味するのか」「情報の量とは何か」といった情報理論のなかでも基礎的な部分をとても分かりやすく、数学的な知識なしでもわかるように書かれています。
情報理論を知らなくてもプログラムを書いたりシステムを構築したりできるのですが、やはり知っていた方が伸びが圧倒的に速いかなと思うので、重ねてになりますがこの本はとてもおすすめです。


ちなみに、情報理論を今年改めて*3勉強したのは、社内勉強会で情報理論をテーマに発表したためでした。
「情報とは何か」を知らないのに、それを使って仕事をしているというのは何か違うと思ったことから情報理論をテーマにしたのですが…、発表会に参加された人に少しでも役に立っていれば幸いです。
(社内勉強会で使った資料は、そのうち Web にアップロードするのでそちらも併せてぜひご覧ください)

雑誌

WEB+DB PRESS Vol.84

WEB+DB PRESS Vol.84

今年から定期購読を開始しました。
なんとなくぐらいに読み始めたのですが、毎号とても面白いです。
特に興味があるのがプログラミング言語の特集。普段使っているのとは違う言語の、ちょっとした書き方の違いや考え方の違いを知るのがとても楽しいです。最近だと、GoやSwiftに例外機構がない(通常は使わない)という設計になっているという話とか。

ただ、読んだだけで試しに触ってみるまではなかなかできていないのが、悩みです…。

その他

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

「コンピュータ時代の創造者たち」というサブタイトルから、ずいぶん昔の話かと思って読み始めましたが、実際は1995年ごろのインターネットが普及し始めたときの話でした。
この本を読んで思ったのは、著者の「先見性」と「洞察の鋭さ」。
いまでこそ、プログラムもユーザのデータもインターネット上にあるというのは当たり前で、それがユーザにも開発者にも大きなメリットを与えているという状況ですが、この作者が1995年にそれを見抜いて Viaweb という会社を興していたというのにはとても驚きました。
この話以外にも富を作るという話やオタクについての話などでも、この著者の本質を見抜く力をたびたび感じました。
これは、おそらく著者がハッカーであるということと関連するのかなと思います。
プログラムを書いて何かを作ろうとすると、物事の本質を見抜く必要が出てくる。それを幾度と行っている著者だから、そういった本質を見抜けるハッカーになれたのかなと思います。


プログラミングを続けていけば、自分も少しは本質を見抜けるようになるのかなと、そんなことをぼんやり考えてしまった一冊でした。

今年一年を振り返って

仕事でコードを書くよりもコードを読んでレビューする方が多くなったり、JJUGの勉強会にたびたび参加するようになったりと、技術者としていくつかの変化があった一年でした。
ただ、決してマイナスではなくプラスにはなっているのですが、伸びとしては少しずつ遅くなっているようにも感じてしまっています。
それは、今年読んだ本の冊数(昨年比 -3 冊)やブログの記事数(昨年比 -4 本)からも見て取れます。


来年は、そういった数字で見えるところから伸ばしていって、全体としてより大きく伸びていけるように頑張っていければと思います。

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すでにちらっと書きましたが、今年は「JJUG CCC」「祝Java 8 Launch」などのJJUGの勉強会に多数参加させていただきました。このような場を設けてくださった JJUG CCC 幹事の皆様、ありがとうございました。


そして、いつも読んでくださる皆様、誠にありがとうございました。
これからも、ちょっとづつ更新を続けていきますので、そのときにぜひまた読んでいただければと思います。


それでは、2015年もよろしくお願いいたします。

*1:メールは今でもJISコードを使っているので、メール関係のプログラムを書くときに特に必要になると思います。

*2:さすがに日本語なら2バイトでしょ?、とか言うのはどうかと思いますが…。

*3:大学で習っていました。